講演内容
所得税は現在重要な税収であるが、その導入に至る歴史的経緯についてはあまり知られていない。この講座では、近年発展が著しい所得税制度研究の国際的展開によって得られる最新の知見を交えながら、近代所得税制度の出発点となった17世紀ポルトガルの事例、世界における所得税制度の原点となった18世紀末-19世紀初頭のイギリスの事例などを交えつつ、制度導入の諸要因、税制度移転のプロセスなどについて説明する。
講師プロフィール
同志社大学卒業後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでPhD取得。東京大学社会科学研究所助手などを経て、現在国士舘大学政経学部教授。専門分野は比較経済史・経営史。