味噌を造ってみよう・スクーリングレポート
講  師: 東 和男氏(東京農業大学応用生物科学部醸造科学科講師)
日  時: 10月2日土曜日 10時〜12時
場  所: 東京農業大学 13号館
参加者: 10名
             
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1・味噌の種類

味噌は大きく分けて3種類、米味噌、麦味噌、豆味噌とある。
それぞれ味噌は麹の使用量の多少で味・色が異なる。

米味噌は全国で最も消費されている。理由は日本は米が多く取れる国であることがあげられる。配合によりその米味噌も淡色系、赤系と様々に分けられる。

麦味噌は九州・四国でよく食べられる。色は淡色系が多い。

豆味噌は三重、岐阜、愛知でよく消費される。豆味噌に慣れていない人が飲むと甘さを低く感ずるタイプである。

他に「あわせ味噌(調合味噌)」(三種の味噌を複数混合)がある。
合わせる事で、美味しさが 更に高まるほか、他地域から転勤などしてきた方が味噌に適応しやすくする面もあり、各地で各様の合わせ味噌が造られている。

・塩分濃度は約12%の辛口味噌が多く生産消費される。その他に甘口味噌として徳島県の御膳味噌などもあり、さらに塩分濃度6%の甘味噌として白味噌(京都)・江戸甘味噌(東京)がある。

2・目で味噌を見る。舌で味噌の味を知る。

その味噌の種類、麹の役割がいかなるものかを実際に商品を舌で眼で見ながら確認した。味噌の種類は 大きく分けて四種類(米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌)である。色が似ていても味が違っているなど 様々な味噌があることを体感した。



3・味噌の材料、微生物

家庭では冬は味噌がおいしく出来るが 夏場は美味しく出来ない、と一般に言われるが、プロ集団の味噌工業ではありえず、味噌醸造蔵では通年生産している。味噌蔵には食品工業としてのノウハウが蓄積されている。 各味噌の生産量は米味噌80%、麦味噌9%、豆味噌7%である。

味噌を造る上で必要な「麹」は「粒」形状で、徐々に酵素分解され、発酵・熟成中にペースト状に分解され味噌が出来上がる。 麦味噌の麹原料は大麦である。麦には大麦・小麦等があるが、小麦は使用されない。小麦は粉状質である。大麦は精白処理後も粒の形状を保つため、味噌には大麦が使用される。大麦、或いは米は精白しても粒の形状を保つため麹が出来るのである。

米味噌を造るのであれば米、麦味噌ならば麦、その他に植物性蛋白質として大豆、腐敗させないように「食塩」を原料とする。「穀物」「大豆」「食塩」の3原料を使う。なお、食塩を使用しなければ蒸し大豆等が腐敗する。

麹歩合とは「麹」と「大豆」の使用比率であるが、これによって 味などに差異を生ずる。 食塩をたくさん入れると腐敗しないが、多過ぎると味噌を造る上で必要な「微生物」の増殖が弱くなるため、食塩は適度な量でなければならない。

「麹」を造るのはその中にある「酵素」を得るためである。 麹菌は増殖すると同時に酵素を生産する。麹菌は食塩と混合すると死滅するが、麹菌は死滅しても酵素は活性を残す。麹は市販されているのでそれを使用すると良い。麹菌以外の微生物として乳酸菌(ヨーグルトやパンの乳酸菌と異なる味噌用の乳酸菌)も増殖し「乳酸酸性」となり、味噌にとって良好な環境が整ってくる。
まとめ
味噌を「仕込む」までは人間が参画できるステージであるが、その先の発酵・熟成は全て微生物と酵素によって変化する。失敗しない味噌造りは微生物の快適環境を如何に調整するかに掛かって来る。ポイントは温度、嫌気度、そして空気をほどよくいれる「天地返し」のタイミングである。

最後に質問時間が設けられた。
ほとんどの方々が一度は味噌を造ったことがあるという方々が集まった。
それだけに具体的に造って行く際に感じた、悩みを相談される方が多かったようだ。

レポーターより
ごはん、そして味噌汁、昔から日本から日本の食文化にはかかせないものである。
味噌は食事を作るのとは違う。食事はレシピ通り、配合を間違えずに進めれば「おいしく」できる。
しかし味噌は しこみからできあがりまでに「時間」「空気」自然の材料が関わってくる。これは簡単に配合を伝えることが難しい。そう、むしろ育てる近いのではないかと感じた。
それは材料から「しこみ」までは人が関れるが それ以降の完成までは「微生物」とのかかわりが重要になってくるからだ。
まず味噌の構造をまず知る、それから味噌を造ることへつなげられるよいキッカケとなる講座となったのではないかと感じた。 (スクーリングレポート 昆 郁江)